危険物乙4試験が難しすぎる、そんな話も出ているようです。
逆に、ネットを中心に簡単すぎるとの話もあります。
実際のところはどうなのでしょう。
危険物乙4試験は難しすぎることはない
結論からいえば、危険物乙4試験が難しすぎるということはありません。
基本的な知識が問われる
危険物乙4試験には、解答が困難になるような奇問・難問は出ません。
誤答を誘うようなひっかけ問題もほとんど出されません。
危険物取扱者として知っていなければならない重要かつ基本的な知識の有無を試す問題ばかりが出されます。
危険物乙4試験は重要かつ基本的な知識を勉強しておけば十分合格できる試験なのです。
同様の出題が繰り返される
重要かつ基本的な知識の有無を試す出題が中心となるので、危険物乙4試験では同じような問題が繰り返し出題されることになります。
過去に出題されたものと一字一句同じ問題が出題されることもあるほどです。
そのため、危険物乙4試験対策では過去問対策をしておけば、十分合格を狙うことが可能になるのです。
教材が充実している
危険物乙4対策用の教材は非常に充実しています。
多くの出版社から様々な種類のテキストや問題集が出版されていますし、通信講座やセミナーも多数実施されています。
人によっては向き不向きはあるでしょうが、試験に合格できるだけの内容になっているものがほとんどです。
教材面で勉強が難しくなるようなことは起こらないでしょう。
試験回数が多い
危険物乙4は再挑戦しやすいので、受かるチャンスが多い試験となっています。
危険物乙4試験は実施回数が極めて多くなっています。
年1回しか行われない国家資格試験も多いなか、危険物乙4試験は都道府県ごとに毎年複数回実施されています。
特に都市部では実施回数が多く、東京都では年間40回以上、月間2~5回も行われています。
危険物乙4試験は実施回数が多いため、受験回数を増やしやすくなります。
同一都道府県の別の回に受けてもいいし、他の都道府県で受けてもいいのです。
危険物乙4試験は簡単なわけでもない
それなら、危険物乙4試験は簡単なのかというと、そうでもありません。
少なくとも簡単すぎるというほどではなく、ある程度の勉強は必要な試験となっています。
3科目でそれぞれ合格基準を満たす必要がある
危険物乙4試験では難しすぎる問題は出題されません。
得意科目について6割程度の得点をすることは難しすぎるということはないでしょう。
しかし、3科目それぞれで60%以上の得点をするとなると事情が変わってきます。
不得意科目を得意科目でカバーできればいいのですが、危険物取扱者試験ではそうはいきません。
3科目ごとに合格基準を満たさなければ合格できないので、1科目でも不得意科目があると合格が遠のくことになります。
合格率は30%台
危険物乙4試験の合格率は、変動はあるものの30%台で推移しています。
危険物取扱者試験の実施団体である一般財団法人消防試験研究センター「試験実施状況」によると、危険物乙4の合格率は、平成31年度/令和1年度は39.0%、令和2年度は38.6%、令和3年度は36.1%、令和4年度は31.5%となっています。
なお、令和5年度は30%台前半の合格率となっており、令和になってから低下傾向が続いています。
危険物乙4試験は、合格率30%台、10人中3人ほどしか受からない試験となっており、簡単とはいえない状況です。
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | |
---|---|---|---|
H24 | 293,211 | 98,764 | 33.7 |
H25 | 283,193 | 90,061 | 31.8 |
H26 | 275,415 | 80,347 | 29.2 |
H27 | 271,234 | 79,718 | 29.4 |
H28 | 264,946 | 76,575 | 28.9 |
H29 | 256,587 | 88,328 | 34.4 |
H30 | 240,102 | 93,667 | 39.0 |
R1 | 221,867 | 85,669 | 38.6 |
R2 | 200,876 | 77,466 | 38.6 |
R3 | 234,481 | 84,564 | 36.1 |
R4 | 223,009 | 70,211 | 31.5 |
危険物乙4試験は難しすぎるものではありません。
しっかり勉強して対策すれば十分合格できる試験です。
何年勉強しても受からないような超難関試験ではありません。
危険物乙4試験が難しすぎるという話は
では、なぜ危険物乙4試験が難しすぎるという話が出てくるのでしょうか。
宣伝文句ほど危険物乙4試験は簡単ではない
危険物乙4試験対策は一つの産業として成立しています。
多くの企業が教材の教材の有効性を宣伝し、競争しています。
らくらく、〇日で受かる、知識ゼロから合格、短期間の講習で完了等々、いかにもに簡単に合格できそうな宣伝文句が並んでいます。
これらだけ見れば危険物乙4試験は簡単に合格できると思っても不思議はありません。
しかし、実際の危険物乙4試験は宣伝文句ほど簡単に合格できるものではありません。
合格率は3割程度、知識ゼロから楽々と合格できるとはいえないものです。
宣伝文句を真に受けて危険物乙4試験を簡単だと思っていた方にとっては、実際の試験は難しすぎるものに思えるのでしょう。
危険物乙4試験合格には宣伝より時間がかかる
危険物乙4試験に合格するには、宣伝で言われるよりも多くの時間を要することが少なくありません。
宣伝では、危険物乙4試験の合格に必要な勉強時間として、40~60時間程度としているところが多いようです。
それを参考に勉強計画をたてる方も多いでしょう。
しかし、40~60時間の勉強では足りないことはざらです。
「合格に必要な勉強時間」は十分条件ではない
さて、この「合格に必要な勉強時間」はどういうものなのでしょうかか。
40~60時間勉強すれば危険物乙4試験に合格できる、という意味ではありません。
危険物乙4試験に合格者の多くが40~60時間勉強していた、ということです。
40~60時間勉強しても合格できるとは限らず、実際に合格までにもっと時間かけた方は少なくありません。
「合格に必要な勉強時間」以上の時間を費やしたのに合格できなかった方も相当数おられるわけです。
そうした方々にとっては危険物乙4試験は難しすぎるものに見えても仕方ありません。
合格に必要な勉強時間では合格できない、危険物乙4試験は難しい、となるのもわかる話です。
ネットで危険物乙4は簡単といわれすぎ
また、他の原因として、ネットの情報に影響されていることもあります。
5chなどを中心に、危険物乙4はとても簡単であるかのように語られています。
ノー勉でイケた、一夜漬けで余裕、といった書き込みが多数見られます。
ネットでは危険物乙4試験は勉強しなくても受かるものとして扱われています。
しかし、現実の危険物乙4試験はそこまで簡単なものではありません。
ネットの情報を真に受けて、勉強しないで危険物乙4試験を受けたところ、思っていたよりもずっと難しかった、そのとき思うのが「危険物乙4試験は難しすぎる」。
ネット乙4の存在?
ネット上には現実の乙4とは異なるネット乙4とでもいうべき資格が存在しているようです。
とても簡単で、勉強しないでも合格できるネットの中だけの資格がネット乙4です。
ネット乙4のつもりで現実の乙4を受験して、その違いに驚いて出るのが「危険物乙4試験は難しすぎる」という言葉なのでしょう。
ネット乙4のことは考えるだけ無駄
確かに、ほとんど勉強しないで合格する人もいるでしょう。
しかし、それはごく少数、ごく一部の人にだけ当てはまる話です。
IQ130以上だったり、偏差値70以上だったりするような「受験モンスター」たちの真似をしようとしても、ほとんどの人には無駄なことです。
それに、書き込みをしているのは本当に現実の乙4についてのことなのでしょうか。
ネット乙4のことを書き込みあって遊んでいるだけなのではありませんか。
そんなものを真に受けてはいけません。
「○○試験は簡単」「○○試験は勉強しないで受かる」といった言葉を無防備に信じるべきではありません。。
同級生の「全然勉強しなかった」や「一緒にゴールしよう」と同じくらい信じるに値しない言葉です。
現実の危険物乙4を見ていきましょう
われわれに必要なのはネット乙4ではありません。
いくらネット乙4について調べてみても、現実社会では何の役にも立ちません。
現実の危険物乙4を見ていきましょう。
現実の危険物乙4試験対策用の教材を使って勉強をしていきましょう。
危険物乙4試験はしっかり勉強していけば合格できる試験です。