危険物保安監督者・危険物保安統括管理者・危険物施設保安員の覚え方

危険物保安監督者の設置義務のある製造所等
瞳のポルシェ用のナンバーは不要

危険物保安統括管理者と危険物施設保安員
精一杯行こう!工場長の3,000万以上は異常、主任は100万以上で全部

危険物保安トリオ

  • 危険物保安統括管理者(危険物/保安/統括管理者)→管理者→工場長
  • 危険物保安監督者(危険物/保安/監督者)→監督者→課長
  • 危険物施設保安員(危険物施設/保安/員)→保安員→主任

出題頻度 危険物保安監督者≫危険物施設保安員>危険物保安統括管理者

危険物保安監督者・危険物保安統括管理者・危険物施設保安員【危険物乙4・危険物に関する法令】

危険物保安監督者

危険物保安監督者は、製造所等で危険物の保安の監督業務を行う(課長、現場責任者のイメージ)

所有者等が選任・解任
→市町村長等に遅滞なく届出

対象資格等
甲種または乙種危険物取扱者+6か月以上の実務経験
(乙種は指定された類のみ)

実務経験
・製造所等のみ
・免状交付の前後を問わない
・複数の製造所等の実務経験を通算できる

危険物保安監督者とは

危険物保安監督者は、危険物の取扱作業において保安の監督業務を行う者のことです。

危険物保安監督者の責務

保安の監督→誠実にその職務を行う
自ら従事→貯蔵又は取扱いの技術上の基準を遵守+保安の確保について細心の注意を払う
立会→従事者が貯蔵又は取扱の技術上の基準を遵守するように監督+必要に応じてこれらの者に指示を与える

危険物保安監督者の選任・解任

所有者等が選任・解任し、市町村長等に遅滞なく届出(→変更の届出)

危険物保安監督者の設置義務のある製造所等

すべて設置義務がある製造所等

①製造所
③屋外タンク貯蔵所
⑨給油取扱所
⑪移送取扱所

すべて設置不要の製造所等

⑦移動タンク貯蔵所
移動タンク貯蔵所には危険物取扱者が乗車しなければならないので、危険物保安監督者の監督はなくても大丈夫です。

指定数量の倍数が30を超える場合に設置義務がある製造所等

⑧屋外タンク貯蔵所

語呂:瞳のポルシェ用のナンバーは不要
(北条司の『キャッツアイ』です。ナンバーのついていない高級車に乗っていても違和感はありません)
ひと    :①
みの    :③
ポルシェ  :⑨⑪(ポルシェ911から)
用の    :必要
ナンバーは :⑦
不要    :不要

語呂:ハミチ〇監督
(上品ではない言葉なので直接は欠けませんが、記憶には残るのではないでしょうか)
ハ   :⑧屋外貯蔵所
ミ   :30
チ〇  :超
監督  :危険物保安監督者の設置が必要

製造所等の覚え方の数字対応式暗記法を前提としています)

危険物保安監督者の設置義務のある製造所等について

危険物保安監督者の設置については、危険物の規制に関する政令第31条の2の各号に定められています。
原則はすべての製造所等に設置義務があり、一定の場合に設置しなくてもいい、というつくりです。

条文を整理すると、次の場合には危険物保安監督者の設置が必要となります。

①製造所      すべて(除外規定なし)
③屋内タンク貯蔵所 すべて(除外規定なし)
⑨給油取扱所    すべて(除外規定なし)
⑪移送取扱所    すべて(除外規定なし)

          指定数量の倍数  貯蔵または取扱う危険物
②屋内貯蔵所    30超   または 引火点40℃度以上の第4類以外
④屋内タンク貯蔵所          引火点40℃度以上の第4類以外
⑤地下タンク貯蔵所 30超   または 引火点40℃度以上の第4類のみ
⑥簡易タンク貯蔵所          引火点40℃度以上の第4類以外
⑧屋外貯蔵所    30超
⑩販売取扱所             引火点40℃度以上の第4類以外
⑫一般取扱所    30超   または 引火点40℃度以上の第4類以外 または ※

※ボイラー、バーナー等で危険物を消費するものまたは危険物を容器に詰め替えるもの以外

⑦移動タンク貯蔵所については、すべて危険物保安監督者の設置が不要です。

なお、危険物保安監督者は、①製造所と⑫一般取扱所とで取り扱いが違う珍しいものであることに注意が必要です。

以上、危険物保安監督者の設置の要否について、すべて覚えるのは困難ですし、頻出分野は限られています。

そこで、まずは①③⑨⑪はすべて必要、⑦はすべて不要、とだけ覚え、余裕があればそれ以外について覚えてくのがいいでしょう。

危険物保安監督者の業務

  • 技術上の基準及び予防規定等保安に関する規定に適合するように、作業者に対し必要な指示を与える
  • 災害発生時に、作業者を指揮して応急の措置を講ずるとともに、直ちに消防機関その他関係あるものに連絡する
  • 災害の防止に関し、関連する施設の関係者との間に連絡を保つ
  • (危険物施設保安員あり)危険物施設保安員へ必要な指示を与える
  • (危険物施設保安員なし)危険物施設保安員の業務を代わりに行う

試験だけを考えれば常識で正しそうなものを選べば大体あっているでしょう。

危険物保安統括管理者

危険物の保安に関する業務を統括管理(大工場の工場長のイメージ)

所有者等が選任・解任→市町村長等に遅滞なく届出

対象資格等なし

危険物保安統括管理者の選任・解任

危険物保安統括管理者は、大量の第4類危険物を貯蔵・取扱う製造所等において所有者等が選任・解任し、市町村長等に遅滞なく届け出ます。(→変更の届出)

危険物保安統括管理者の選任義務のある製造所等

①製造所   倍数3,000以上
⑫一般取扱所 〃

⑪移送取扱所 指定数量以上

自衛消防組織必置

危険物保安統括管理者を定めなければならない製造所等には自衛消防組織を必ず置かなくてはなりません。

自衛消防組織

法令で定める数以上の人員+化学消防自動車で編成

危険物施設保安員

製造所等の構造及び設備にかかる保安のため業務(主任、よくわかってる現場の方のイメージ)

届出・資格等不要

所有者等が選任・解任→届出等不要

対象資格等なし

危険物施設保安員の選任義務のある製造所等

①製造所   倍数100以上
⑫一般取扱所 〃

⑪移送取扱所 すべて

危険物施設保安員の業務

・定期及び臨時の点検
・点検の記録及び保存
・異常発見時、危険物保安監督者その他関係者に連絡+適当な措置を講ずる
・火災発生時または火災発生の危険性が著しい時には、危険物保安監督者と協力し応急の措置を講ずる
・計測装置、制御装置、安全装置等の保安管理
・その他、構造・設備の保安に関する必要な業務

→構造・設備の保安に関する業務、現場に向き合うイメージ

危険物保安統括管理者と危険物施設保安員について

        危険物保安統括管理者 危険物施設保安員
同じ
対象資格    なし         なし
義務化対象   ①製造所、⑫一般取扱所及び⑪移送取扱所
違う
義務化要件
①、⑫     倍数3,000以上     倍数100以上
⑪       指定倍数以上     すべて
届出      必要         不要

語呂:移住にいいが、工場長の3,000万以上は異常、主任は100万以上で全部
(工場の職員で別荘を共同購入するにあたってのお金の事情を話しているようです)
移      :①製造所
住に     :⑫一般取扱所
いいが    :⑪移送取扱所
工場長の   :危険物保安統括管理者
3,000万以上は :倍数3,000以上
異常     :(指定数量)以上(の移送取扱所)
主任は    :危険物施設保安員
100万以上で  :倍数100以上
全部     :すべて(の移送取扱所)

出題頻度はそれほど高くはないので、直前に詰め込めればいいと思います。