製造所等の覚え方

  • 製造所等(全12種類)
    • 製造所(1種類、①)
    • 貯蔵所(7種類、②~⑧)
      • 屋内貯蔵所(1種類、③)
      • タンク貯蔵所(5種類、④~⑦)
      • 屋外貯蔵所(1種類、⑧)
    • 取扱所(4種類、⑨~⑫)

数字と対応させて暗記しておくと、多くの規定で覚えやすくなります。

製造所等とは【危険物乙4・危険物に関する法令】

製造所等とは

製造所等とは、指定数量以上の危険物を貯蔵または取扱う建築物等であって、市町村長等の許可を受けたものです。
指定数量以上の危険物は、製造所等以外の場所での貯蔵または取扱が禁じられています。

危険物取扱者試験では、製造所等については定義そのものが問われることもあります。
それ以上に多くの危険物規制の前提となるものですから、しっかり覚えておかなくてはなりません。

製造所等は、製造所、貯蔵所及び取扱所の3つに大別されます。

①製造所

製造所は、危険物を製造する目的で建設された施設です。

貯蔵所

貯蔵所は、指定数量以上の危険物を貯蔵する目的で建築された施設で、屋内貯蔵所、タンク貯蔵所、屋外貯蔵所に大別させます。
タンク貯蔵所は、さらに屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所及び移動タンク貯蔵所の5つに分けられます。

②屋内貯蔵所

屋内貯蔵所は、屋内の場所において危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所です。

タンク貯蔵所

タンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所です。

③屋外タンク貯蔵所

屋外タンク貯蔵所は、屋外にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所です。

④屋内タンク貯蔵所

屋内タンク貯蔵所は、屋内にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所です。

⑤地下タンク貯蔵所

地下タンク貯蔵所は、地盤面下に埋没されているタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所です。

⑥簡易タンク貯蔵所

簡易タンク貯蔵所は、簡易タンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所です。

⑦移動タンク貯蔵所

移動タンク貯蔵所は、車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所です。
タンクローリーが該当します。

⑧屋外貯蔵所

屋外の場所において第2類の危険物のうち硫黄、硫黄のみを含有するもの若しくは引火性固体(引火点が0℃以上のものに限る。)または第4類の危険物のうち第一石油類(引火点が0℃以上のものに限る。)、アルコール類、第2石油類、第3石油類、第4石油類若しくは動植物油類を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所

取扱所

取扱所は、指定数量以上の危険物を取り扱うことを目的に建築された製造所以外の施設で、給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所及び一般取扱所の3つに分けられます。

⑨給油取扱所

給油取扱所は、給油設備によつて自動車等の燃料タンクに直接給油するため危険物を取り扱う取扱所です。

⑩販売取扱所

販売取扱所は、店舗において容器入りのままで販売するため危険物を取り扱う取扱所です。

⑪移送取扱所

移送取扱所は、配管及びポンプ並びにこれらに附属する設備によつて危険物の移送の取扱いを行う取扱所です。

⑫一般取扱所

一般取扱所は、給油取扱所、販売取扱所または移送取扱所以外の取扱所です。

一般取扱所の重要ポイント

危険物取扱者試験では、一般取扱所の位置、構造及び設備の技術上の基準については、製造所とほとんど同じものと考えて大丈夫です。
一部例外はあるものの、そこが出題されることは多くはありません。

絶対満点を取らなければならない方以外は、両者は同じと考えてしまってもいいでしょう。

参考:
危険物の規制に関する政令第19条で、製造所の位置、構造及び設備の技術上の基準は、一般取扱所に準用する旨が定められています。
同条第2項、第3項及び第4項で特例を定められる旨が定められていますが、試験で特例について問われることは極めて稀です。
そのため、試験上、製造所と一般取扱所の位置、構造及び設備の技術上の基準についてはほぼ同じものと考えて大丈夫です。

製造所等のまとめ

製造所等については、すべての名称と概要を覚えておく必要がありますが、数が多く丸暗記では対応が難しい項目です。
そこで、系統立てて覚えるとともに、製造所等の種類ごとに番号をつけて対応させて覚える「数字対応式」暗記法をおすすめします。
一部は語呂合わせにもなっていて覚えやすくなると思います。

〇製造所(1種類)
 ①製造所         :製造所等の代表は製造所だから①
〇貯蔵所(7種類)
 ②屋内貯蔵所       :屋内貯蔵所は製造所のそばにありそうだから②
 (タンク貯蔵所(5種類))
  ③屋外タンク貯蔵所   :磨いた(③外タ)
  ④屋内タンク貯蔵所   :米内たん(④内タン)(③と④だけで語呂合わせ)
  ⑤地下タンク貯蔵所   :ちかたんく(5文字)
  ⑥簡易タンク貯蔵所   :かんいたんく(6文字)
  ⑦移動タンク貯蔵所   :タンクローリー(7文字)
 ⑧屋外貯蔵所       :屋外は野外(8外、やがい)
〇取扱所(4種類)
 ⑨給油取扱所       :給油(9油、きゅうゆ)
 ⑩販売取扱所       :店舗(10ぽ、てんぽ)
 ⑪移送取扱所       :パイプラインだからパイプがいっぱいで11
 ⑫一般取扱所       :「その他」だから最後の12

※「屋内」と「屋外」は交互に現れます。
②屋貯蔵所、③屋タンク貯蔵所、④屋タンク貯蔵所、⑧屋貯蔵所
そこに着目して整理してください。

数字対合式暗記法の利点

数字対応式暗記法だと、その他の制限について覚えやすくなる利点もあります。

数量制限について

④屋内タンク貯蔵所(40倍以下、第類20,000L以下)
⑥簡易タンク貯蔵所(600L以下)

このほか数量制限がある貯蔵所は次の2つです。
⑦移動タンク貯蔵所(30,000L以下)
⑩販売取扱所(第1種:15倍以下、第2種:15倍超40倍以下)

数量制限のある貯蔵所

語呂:白納豆には数量制限(④⑥⑦⑩:しろなっとう)

品名等による制限について

⑧屋外貯蔵所(第類・第類、引火点0℃以上)
(⑧=2×4)

なお、屋外貯蔵所には第2類・第4類であっても特殊引火物と多くの第1石油類は貯蔵できません。
→ガソリン、ベンゼン、アセトン等は屋外貯蔵所に貯蔵できない
⇔トルエン(引火点4℃)は屋外貯蔵所に貯蔵できる

屋外貯蔵所には、ガソリンは貯蔵できないこと、トルエンは貯蔵できることは、試験で問われることもあります。
貯蔵制限と引火点との知識横断型の問題なので、実際に試験に出されると難しく感じます。