危険物第4類の指定数量の覚え方

(ドラム缶(200L)単位で)1、2、5、10、30、50
とく子の意地悪あるよー、偽みつをの白い土間

危険物の指定数量【危険物乙4・危険物に関する法令】

指定数量

指定数量とは、危険物についてその危険性を勘案して政令で定める数量をいいます。

指定数量は危険性を算定する基準

指定数量は危険物の危険性を勘案して定められる数量であり、危険性を算定する基準となるものです。
そのため、危険性が高いものほど指定数量は少なく定められています。

指定数量は危険物規制を受ける基準

指定数量以上の危険物は、製造所等以外の場所での貯蔵または取扱が禁じられています。
したがって、指定数量は危険物規制を受ける基準となります。

  • 指定数量以上の危険物を製造所等以外で貯蔵または取扱してはならない
    指定数量未満の危険物の貯蔵または取扱は市町村条例で定める

指定数量と危険物の貯蔵または取扱との関係

製造所等製造所等以外
指定数量以上危険物取扱者が行うか、危険物取扱者の立会いが必要禁止
指定数量未満市町村の条例で定める誰でもOK

指定数量は全国同一

指定数量は全国同一の基準が適用されます。

危険物第4類の指定数量

危険物第4類の指定数量については、危険物乙4試験の最頻出項目の一つである指定数量の倍数計算の問題の基礎となるものです。
何があっても覚えておかなくてはなりません。

危険物第4類の指定数量

類別品名性質指定数量(単位:l)
第4類特殊引火物50
第1石油類非水溶液体200
水溶性液体400
アルコール類400
第2石油類非水溶液体1000
水溶性液体2000
第3石油類非水溶液体2000
水溶性液体4000
第4石油類6000
動植物油類10000

(危険物政令別表第三から抜粋)

危険物第4類の指定数量の覚え方

第1~第3石油類、水溶性液体の指定数量は非水溶性液体の2倍。

特殊引火物、アルコール類、第4石油類及び動植物油類には非水溶性液体と水溶性液体の区別はない。

それぞれの非水溶性液体の指定数量は、特殊引火物、第1石油類、アルコール類、第2石油類、第3石油類、第4石油類、動植物油類の順に50、200、400、1,000、2,000、6,000、10,000(いずれも単位はl)。

この数字を何とかして覚えなければなりません。

方法1:ドラム缶単位で覚える

(ドラム缶(200L)単位で)1、2、5、10、30、50

「1、2、5、10、30、50」をリズムで覚えます。

方法2:語呂合わせで覚える

語呂:とく子の意地悪あるよー、偽みつをの白い土間
(意地悪なとく子さんが、偽物のみつをさんの土間で何かをしているようです)
とく   :特殊引火物
子の   :50(L)
意    :第1石油類
地悪   :200(L)
ある   :アルコール類
よー、  :400(L)
に    :第2石油類
せ    :1,000(L)
み    :第3石油類
つをの  :2,000(L)
し    :第4石油類
ろい   :6,000(L)
ど    :動植物油類
ま    :10,000(L)

など、語呂合わせで覚えます。

方法3:力技で覚える

記憶力がいい方なら何とかなるでしょう。

試験では問題用紙に表を再現

試験がはじまったら、できるだけ早い時間に指定数量の表を問題用紙の余白に書いてしまいましょう。
数字一つ忘れてもいけないものですから、忘れないうちに再現しておくのです。

そうすることで、指定数量の倍数の問題での計算ミスや参照ミスを防ぐことができます。

指定数量の倍数

指定数量の倍数は、実際に貯蔵し、または取扱う危険物の数量をその危険物の指定数量で割って得た値です。
貯蔵または取扱う危険物が指定数量の何倍かを表します。

指定数量の倍数の計算

指定数量の倍数=(A貯蔵量/A指定数量)+(B貯蔵量/B指定数量)+(C貯蔵量/C指定数量)+…

式の形を覚えるだけでなく、具体的な数字から指定数量の倍数の計算ができるようにしておく必要があります。

指定数量の倍数の計算にかかる出題

指定数量の倍数の計算については、正しい計算式を選ぶもの、指定数量の倍数を計算するもの、指定数量の倍数の大小を比較させるもの等があります。

式の形を覚えて、実際に計算できなければなりません。

例題1

過去に出題された問題 乙種第4類 危険物取扱者試験 問3

例題2

過去に出題された問題 甲種 危険物取扱者試験 問2

例題1の正答 4

ただ式を覚えていれば正解できる問題も出題されています。
覚えておかなければ損です。

例題2の正答 1

パッと見ただけで1の危険性が大きそうです。
実際に計算していくと、

1 
ガソリン2,000L/第1石油類(非水溶性)の指定数量200L→倍数10
灯油6,000L/第2石油類(非水溶性)の指定数量1,000L→倍数6
倍数10+6→16


灯油3,000L/第2石油類(非水溶性)の指定数量1,000L→倍数3
重油5,000L/第3石油類(非水溶性)の指定数量2,000L→倍数2.5
倍数3+2.5→5.5


重油4,000L/第3石油類(非水溶性)の指定数量2,000L→倍数2
軽油4,000L/第2石油類(非水溶性)の指定数量1,000L→倍数4
倍数2+4→6


軽油5,000L/第2石油類(非水溶性)の指定数量1,000L→倍数5
シリンダー油3,000L/第4石油類の指定数量6,000L→倍数0.5
倍数5+0.5→5.5


シリンダー油6,000L/第4石油類の指定数量6,000L→倍数1
ガソリン2,000L/第1石油類(非水溶性)の指定数量200L→倍数10
倍数1+10→11

以上、圧倒的に1が指定数量の倍数の合計が大きい危険物の組み合わせとなります。

参考:第4類以外の危険物の指定数量

第4類以外の指定数量は、甲種試験では必須ですが、乙種試験ではそうではありません。
乙種試験でも、ときどき知っていることを求められますが、乙種試験対策としては余裕がある人向けです。

危険物第1類の指定数量

危険等級Ⅰ:第1種酸化性固体(50kg)
危険等級Ⅱ:第2種酸化性固体(300kg)
危険等級Ⅲ:第3種酸化性固体(1,000kg)

語呂:イチゴ党兄さん吐く、さーせんした
イチ   :(危険等級)Ⅰ
ゴ党   :50(kg)
兄    :(危険等級)Ⅱ
さん吐く :300(kg)
さー   :(危険等級)Ⅲ
せんした :1,000(kg)

危険物第2類の指定数量

危険等級Ⅱ:硫黄、硫化リン、赤リン、第1種可燃性固体(100kg)
危険等級Ⅲ:鉄粉、第2種可燃性固体(500kg)
      引火性固体(1,000kg)

語呂:二人の井荻麟、一人ハンド、砂鉄兄誤爆、インコ戦
二人の  :Ⅱ 
井荻   :硫黄
麟、   :硫化リン、赤リン
一人   :第1種可燃性固体
ハンド  :100(kg)(←ハンドレッド)
砂    :Ⅲ
鉄    :鉄粉
兄    :第2種可燃性固体
誤爆   :500(kg)
インコ  :引火性固体
戦    :1,000(kg)

危険物第3類の指定数量

危険等級Ⅰ:カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、第1種自然発火性物質及び禁水性物質(10kg)
      黄リン(20kg)
危険等級Ⅱ:第2種自然発火性物質及び禁水性物質(50kg)
      第3種自然発火性物質及び禁水性物質(300kg)

語呂:かなりある一発店、キリンは二重あご、2時50分は散々吐く
か    :カリウム
なり   :ナトリウム
ある   :アルキルアルミニウム、アルキルリチウム
一発   :第1種(自然)発火性(物質及び禁水性物質)
店    :10(kg)(←テン)
キリンは :黄リン
二重あご :20(kg)
2時   :第2種(自然発火性物質及び禁水性物質)
50分は  :50(kg)
散    :第3種(自然発火性物質及び禁水性物質)
々吐く  :300(kg)

危険物第5類の指定数量

危険等級Ⅰ:第1種自己反応性物質(10kg)
危険等級Ⅱ:第2種自己反応性物質(100kg)

語呂:小糸にハンド
こ   :第5類
い   :(危険等級)Ⅰ・第1種自己反応性物質
と   :10(kg)
に   :(危険等級)Ⅱ・第2種自己反応性物質
ハンド :100(kg)(←ハンドレッド)

危険物第6類の指定数量

危険等級Ⅰ:(300kg)

語呂:六三百亭
(「料理の鉄人」、話の鉄人で有名な道場六三郎氏のお店、ろくさん亭のもじりです)
六   :第6類
三百亭 :300(kg)