危険物乙4試験の物理・化学は難しいという話が出回っています。
物理・化学が攻略の山場だとする方もいらっしゃいます。
本当に危険物乙4試験の物理・化学はそんなにも難しいものなのでしょうか。
危険物乙4試験の物理・化学は難しくはない
難しいと感じるかどうかは人それぞれです。
しかし、客観的にいえば危険物乙4試験の「基礎的な物理学及び基礎的な化学(以下「物理・化学」)」はそれほど難しいものではありません。
中学理科が出題の中心
出題内容のほとんどは中学理科の範囲から、しかも基本的なものですし、頻出分野には偏りがあります。
試験に出やすい基本的なところを重点的に勉強すれば、合格基準に到達することは十分可能です。
確かに、熱化学方程式やイオン化傾向等、高校化学の範囲からの出題もあります。
しかし、それらについても深い理解は必要なく、表面的なところを覚えておけば対応できます。
捨て問にしても大丈夫なこともあります。
危険物乙4試験の物理・化学は義務教育レベルの学力があれば十分対応可能で、決して難しいものではありません。
なぜ危険物乙4試験の物理・化学が難しいと感じるのか
ではなぜ危険物乙4試験の物理・化学が難しいと感じる方が多いのでしょう。
理科系科目への苦手意識
物理・化学が難しいと感じている方の多くが、理科系科目に苦手意識をお持ちです。
理科系科目への苦手意識が、物理・化学を実際以上に難しいと感じさせているのです。
難しい項目にばかり着目している
物理・化学が難しいと感じている方ほど、わかりにくい項目や難しい項目にばかり着目しています。
確かにわかりにくかったり難解だったりする項目もありますが、危険物乙4試験の物理・化学は中学理科の基本的な項目から多くが出題されます。
わかる項目に着目していけば、それほど難しいとは感じなくなるはずです。
はじめから丸暗記しようとしている
丸暗記のせいで物理・化学を難しいと感じている方もいらっしゃるようです。
危険物乙4試験は、基本的には暗記が有効です。
特に「危険物に関する法令」については丸暗記の方が効果的な場面もあるほどです。
一方、物理・化学を丸暗記でいこうとすると、覚える量が多くなる割りに得点にむずびつかなくて苦労することになります。
物理・化学を難しいと感じる方向けの勉強方法
物理・化学は簡単だと意識する
理科系科目に苦手意識のある方は、危険物乙4試験の物理・化学は簡単だとと意識しながら勉強してください。
自己暗示でもかまいません。
苦手意識に勉強の邪魔をさせてはいけません。
危険物乙4試験の物理・化学は簡単だと自分に言い聞かせて、苦手意識を働かせないようにしましょう。
わかることに着目する
難しいと思えることの中にもわかることは必ずあります。
どこまでがわかっていて、どこからがわからないことなのか、意識して勉強することが大事になります。
そのうえで、少しずつでもわかることを増やしていくような勉強をしていくと、難しさを感じにくくなるはずです
関連付けて覚える
物理・化学では、はじめから丸暗記しようとするのではなく、理解を中心にした勉強方法ですすめるべきです。
個々の項目を覚えるだけではなく、他の項目と関連付けて覚えていくことが重要です。
例えば、「燃焼の三要素(可燃物、酸素供給源及び点火源)」を覚えるのであれば、「消火の三要素(除去効果による消火、窒息効果による消火及び冷却効果による消火)」と対応付けて覚えるようにします。
それとともに、消火剤とも関連付けて覚えていきます。
さらに、消火剤は物質の三態に応じて分類して覚えます。
例:燃焼の三要素
燃焼の三要素 消火の三要素
可燃物 → 除去効果による消火:可燃物を除去
酸素供給源 → 窒息効果による消火:酸素供給を遮断
点火源 → 冷却効果による消火:引火点等未満に冷却
消火剤
液体 → 水系消火剤:冷却効果による消火:大きな比熱で冷却
水消火剤
強化液消火剤
泡消火剤(泡で可燃物を被覆→窒息効果も)
気体 → ガス消火剤:窒息効果による消火:酸素を除去
ハロゲンガス消火剤
二酸化炭素消火剤
固体 → 粉末消火剤:窒息効果による消火:可燃物を被覆、酸素に触れさせない
リン酸塩類(ABC消火剤):抑制効果大
炭酸水素塩類:抑制効果小
大変に思えるかもしれませんが、結果的には忘れにくく、得点しやすくなる勉強法です。
できる限り他の項目との関連付けをしながら勉強することをおすすめします。