貯蔵・取扱の基準の覚え方
危険物以外の物品の貯蔵
意外な部長にワイのみよ子な!
類を異にする危険物の貯蔵
ルイベにワイの虹色イチゴ
同じ類でも同時に貯蔵できない危険物
同類のキリンはキス禁止
危険物の容器の積み重ね
ようつべのチューバ―さん、使用差し止め、ローマシーンの墓だろう
製造所等に共通する基準
製造所等に共通する貯蔵・取扱に関する基準については、常識的に判断できるものがほとんどです。
試験対策としては、丸暗記よりも、どのような基準があるのか把握しておくことに力を入れる方が効率的です。
なお、詳細まで理解しておきたい方は、危険物の規制に関する政令第24条各号をお読みください。
禁止事項等
製造所等において、
- 許可もしくは届出にかかる品名以外の危険物を貯蔵し、または取り扱わない
- 許可もしくは届出にかかる数量(指定数量)を超える危険物を貯蔵し、または取り扱わない
条件付き
- 危険物が残存し、または残存しているおそれがあるとき、機械器具、容器等を修理する場合は、安全な場所において危険物を完全に除去した後に行う
- 可燃性液体、上記もしくはガスが漏れ、もしくは滞留するおそれのある場所では、電線と電気器具とを完全に接続し、かつ、火花を発する機械器具、工具、履物等を使用しない
- 危険物を保護液中に保存する場合は、危険物が保護液から露出しないようにする
- 危険物を貯蔵しまたは取り扱う建築物の工作物または設備は、危険物の性質に応じ、遮光または換気を行う
適時適当な処置
頻度が出題されることが多くなっています。
随時
貯留設備又は油分離装置にたまった危険物は溢れないように随時くみ上げる
1日に1回以上
危険物のくず、かす等は、1日に1回以上、危険物の性質に応じて安全な場所で廃棄その他適当な処置をする
「みだりに」
- みだりに火気を使用しない
- 常に整理及び清掃を行うとともに、みだりに空箱その他の不必要な物件を置かない
みだりに:正当な理由なく、without due cause
→絶対にダメなわけではなく、正当な理由があればOK
危険物の類ごとに共通する技術上の基準
危険物の類ごとに共通する技術上の基準は、次のようになります。
第1類
- 可燃物との接触・混合を避ける
- 分解を促す物品との接近を避ける
- 過熱、衝撃、摩擦を避ける
- 水との接触を避ける(アルカリ金属の過酸化物)
第2類
- 酸化剤との接触・混合を避ける
- 炎、火花、高温体との接近を避ける
- 過熱を避ける
- 水または酸との接触を避ける 2(鉄粉、金属粉、Mg)
- みだりに蒸気を発生させない 2(引火性固体)
第3類
自然発火性物品
- 炎、火花、高温体との接近を避ける
- 過熱を避ける
- 空気との接触を避ける
禁水性物品
水との接触を避ける
第4類
- 炎、火花、高温体との接近
- 過熱を避ける
- みだりに蒸気を発生させない
第5類
- 炎、火花、高温体との接近
- 過熱、衝撃、摩擦を避ける
第6類
- 可燃物との接触・混合を避ける
- 分解を促す物品との接近を避ける
- 過熱を避ける
共通する技術上の基準→危険物の類
危険物の類ごとに共通する技術上の基準については、危険物の類→共通する技術上の基準でまとめられることがほとんどです。
これは、条文(危険物の規制に関する政令第25条)がそのように規定しているからです。
ただ、試験対策としては、共通する「共通する技術上の基準」→危険物の類でまとめておくと、多くの問題で解答しやすくなります。
過熱を避ける
- すべての類
可燃物との接触・混合を避ける
- 第1類
- 第6類
分解を促す物質との接近を避ける
- 第1類
- 第6類
加熱、衝撃、摩擦を避ける
- 第1類
- 第5類
水との接触を避ける
- 第1類(アルカリ金属の過酸化物)
- 第3類(禁水性物質)
水または酸との接触を避ける
- 第2類(鉄粉、金属粉、Mg)
空気との接触を避ける
- 第3類(自然発火性物質)
みだりに蒸気を発生させない
- 第2類(引火性固体)
- 第4類 すべて
炎、火花、高温体との接近を避ける
- 第2類 すべて
- 第3類(自然発火性物質)
- 第4類 すべて
- 第5類 すべて
共通する技術上の基準→危険物の類の最小限
- すべての危険物は「過熱を避ける」
- 第1類、第6類は酸化性→可燃物との接触・混合を避ける
- 第1類、第6類は不燃性→×炎、火花、高温体との接触を避ける
- 第1類、第6類は分解して酸素を発生→分解を促す物質との接近を避ける
貯蔵の基準
危険物以外の物品の貯蔵
原則:貯蔵禁止
製造所等において、危険物以外の物品を貯蔵してはならない
例外
- ②屋内貯蔵所、⑧屋外貯蔵所において、危険物と危険物以外の物品とをそれぞれまとめて貯蔵し、かつ、相互に1m以上の間隔を置く場合
- ③屋外タンク貯蔵所、④屋内タンク貯蔵所、⑤地下タンク貯蔵所及び⑦移動タンク貯蔵所において、危険物と危険物以外の物品とそれぞれ貯蔵する場合
語呂:意外な部長にワイのみよ子な!
(社長が、自分が贔屓にしているみよ子さんを部長に決めるよう命じているイメージ)
意外な部 :(危険物)以外の物品
長 :貯蔵
に :②屋内貯蔵所
ワ :⑧屋外貯蔵所
イの :(相互に)1m(以上)
み :③屋外タンク貯蔵所
よ :④屋内タンク貯蔵所
子 :⑤地下タンク貯蔵所
な! :⑦移動タンク貯蔵所
類を異にする危険物の貯蔵
原則:貯蔵禁止
類を異にする危険物は同一貯蔵所に貯蔵しない
(耐火構造で完全に区分された室が2以上ある貯蔵所においては、同一の室)
例外
②屋内貯蔵所、⑧屋外貯蔵所において、以下の危険物を類別ごとにそれぞれ取りまとめて貯蔵し、かつ、相互に1m以上の間隔を置く場合
同時に貯蔵できる危険物の類の代表例
第1類×第6類
第2類×第4類
第1類(アルカリ金属の過酸化物以外)×第5類
→混載と区別
語呂:ルイベにワイの虹色イチゴ
(自分の虹色の赤サンゴをルイベにしようとしました)
ルイベ :類が別
に :②屋内貯蔵所
ワ :⑧屋外貯蔵所
イの :(相互に)1m(以上)
に :第2類
じ :第4類
い :第1類
ろ :第6類
イチ :第1類(アルカリ金属の過酸化物以外)
ゴ :第5類
同じ類でも同時に貯蔵できない危険物
黄リン×禁水性物質(いずれも第3類)
→黄リンの保護液である水と禁水性物質が触れると発火の危険
語呂:同類のキリンはキス禁止
同類の :同じ類
キリンは :黄リン
キス :禁水性物質
禁止 :同時貯蔵禁止
危険物の容器の積み重ね
容器の積み重ねの問題は、②屋内貯蔵所及び⑧屋外貯蔵所だけにしか起こりません。
タンク貯蔵所については積み重ねの問題は生じ得ないからです。
②屋内貯蔵所、⑧屋外貯蔵所
- 3m:原則
- 4m:第4類の第3石油類、第4石油類及び動植物油類
- 6m:機械により荷役する構造の容器
を超えて積み重ねない(=以下にする)
⑧屋外貯蔵所で架台で貯蔵
- 6m以下
語呂:ようつべのチューバ―さん、使用差し止め、ローマシーンの墓だろう
(動画投稿サイトの投稿者さんが、ローマのシーンに映ったお墓のせいで使用を差し止められたと考えています)
ようつべの :容(器の)積(み重ね)
チュー(ツー):②屋内貯蔵所
バ― :⑧屋外貯蔵所
さん、 :3m
使 :4m
用 :第4類
差 :第3石油類
し :第4石油類
止め、 :動植物油類
ロー :6m
マシーンの :機械(により荷役)
は :⑧屋外貯蔵所
かだ :架台
ろう :6m
貯蔵所ごとの危険物の貯蔵の基準
貯蔵方法
②屋内貯蔵所、⑧屋外貯蔵所
原則:基準に適合する容器に収納
例外:塊状の硫黄
→タンク貯蔵所以外の貯蔵所では、基準に適合する容器に収納
温度
②屋内貯蔵所
危険物の温度が55℃を超えない措置
開口部等の閉鎖
③屋外貯蔵タンク、④屋内貯蔵タンク、⑤地下貯蔵タンク及び⑥簡易貯蔵タンク
- 計量口は、計量するとき以外は閉鎖
←⑦移動タンク以外のタンク
③屋外貯蔵タンク、④屋内貯蔵タンク、⑤地下貯蔵タンク
- 元弁及び注入弁またはふたは、危険物を出し入れするとき以外は閉鎖
←⑥簡易タンク、⑦移動タンク以外のタンク
③屋外貯蔵タンク
- 防油堤の水抜口は通常閉鎖
- 防油堤内部に滞油または帯水した場合は、遅滞なくこれを排出する
取扱の基準
取扱の基準については、常識的に判断できるものがほとんどです。
試験対策としては、丸暗記よりも、どのような基準があるのか把握しておくことに力を入れる方が効率的です。
なお、詳細まで理解しておきたい方は、危険物の規制に関する政令第27条をお読みください。
製造
蒸留工程
液体・蒸気・ガスが漏れないようにする
抽出工程
抽出カンの内圧が異常に上昇しないようにする
乾燥工程
危険物の温度が局部的に上昇しない方法で加熱し、または乾燥する
詰替
防災上安全な場所で行う
消費
吹付塗装作業
防災上有効な隔壁等で区画された安全な場所で行う
焼入作業
危険物が危険な温度に達しないように行う
染色または洗浄作業
- 可燃性蒸気の換気を良くして行う
- 廃液をみだりに放置しないで安全に処置する
バーナー使用
バーナーの逆火を防ぎ、かつ、危険物が溢れないようにする
廃棄
焼却
- 安全な場所で行う
- 燃焼または爆発によって他に危害または損害を及ぼすおそれのない方法で行う
- 見張人をつける
埋没
危険物の性質に応じ安全な場所で行う
禁止
海中または水中に流出または投下しない