第3石油類の性質の覚え方
第3石油類
三重苦のレオ、兄にトロ、ミスにぐりぐり
第3石油類
第3石油類は、1気圧において引火点が70℃以上200℃未満のものです。
語呂:魅せろ稲尾!匂う美馬
魅せろ :第3石油類(3-せきゆ)
い :引火点
なお :70(℃以上)
におう :200(℃)
美馬 :未満
非水溶性の第3石油類
- 重油
- クレオソート油
- アニリン
- ニトロベンゼン
水溶性の第3石油類
- エチレングリコール
- グリセリン
語呂:三重苦のレオ、兄にトロ、ミスにぐりぐり
三 :第3石油類
重 :重油
苦のレオ :クレオソート油
兄 :アニリン
にトロ :ニトロベンゼン
ミスに :(ここから水溶性)
グリ :エチレングリコール
グリ :グリセリン
語呂(ミニマム):三重苦のレオ、ミスにぐりぐり
第3石油類の多くに共通する性質
引火点70~90℃または100℃以上
- 非水溶性:70~90℃程度が多い(水の沸点より低い)
- 水溶性:100℃以上のものが多い(水の沸点より高い)
沸点200℃前後~300℃
200℃前後~300℃程度のものが多い
非水溶性の第3石油類の性質
試験対策上、非水溶性の第3石油類として重要なのは、重油です。
重要度は下がりますが、クレオソート油やニトロベンゼンについて問われることもあります。
これらの性質についてはしっかり覚えておきましょう。
重油
重油は、危険物第4類に共通する性質と一部異なる性質を有しています。
〇液体
〇蒸気比重>1(空気より重い、蒸気は低所に滞留)
〇蒸発燃焼、引火点を有する
×無色(→褐色または暗褐色)
〇臭いがある
〇比重<1(水より軽い)
〇非水溶性
〇非水溶性のものは電気の不良導体、静電気を発生しやすい
また、重油は第3石油類の多くに共通する性質の一部を有します。
△非水溶性は引火点70~90℃程度
〇沸点200℃前後~300℃
重油の試験対策
重油は、日本工業規格により1種(A重油)、2種(B重油)及び3種(C重油)に分けられます。
◎比重0.9~1.0(第3石油類で比重が1未満なのは重油のみ)
「重油は比重が1より大きい、水より重い」といった選択肢が試験で頻出です。
◎褐色または暗褐色の粘性のある液体
特有の臭い
引火点
1種(A重油)及び2種(B重油) 60℃以上
3種(C重油) 70℃以上
クレオソート油
クレオソート油は、危険物第4類に共通する性質と一部異なる性質を有しています。
〇液体
〇蒸気比重>1(空気より重い、蒸気は低所に滞留)
〇蒸発燃焼、引火点を有する
×無色(→黄色、濃黄褐色、暗緑色、黒色)
〇臭いがある
×比重<1
〇非水溶性
〇非水溶性のものは電気の不良導体、静電気を発生しやすい
また、クレオソート油は第3石油類の多くに共通する性質を有します。
〇非水溶性は引火点70~90℃程度
〇沸点200℃前後~300℃
クレオソート油の試験対策
黄色、濃黄褐色、暗緑色、黒色の粘稠性の油状液体
刺激臭
比重1.1(水より重い)
水に溶けない
アルコール、ベンゼンに溶ける
人体に有毒
ナフタレン、アントラセン等が含まれる
アニリン
アニリンは、危険物第4類に共通する性質の多くを有しています。
〇液体
〇蒸気比重>1(空気より重い、蒸気は低所に滞留)
〇蒸発燃焼、引火点を有する
△無色(→無色または淡黄色)
〇臭いがある
△比重<1(水より軽い)
〇非水溶性
〇非水溶性のものは電気の不良導体、静電気を発生しやすい
また、アニリンは第3石油類の多くに共通する性質を有します。
〇引火点70~90℃程度(水の沸点より低い)
×沸点200℃前後~300℃
アニリンの試験対策
無色または淡黄色の液体
特有の臭気
比重1.01(水とほぼ同じ)
沸点185℃以上
水に溶けにくい
アルコール、ジエチルエーテル等有機溶媒によく溶ける
燃焼範囲:やや広い炭化水素型(1.2~11vol%)
ニトロベンゼン
ニトロベンゼンは、危険物第4類に共通する性質と一部異なる性質を有しています。
〇液体
〇蒸気比重>1(空気より重い、蒸気は低所に滞留)
〇蒸発燃焼、引火点を有する
×無色(→淡黄色~暗黄色)
〇臭いがある
×比重<1
〇非水溶性
〇非水溶性のものは電気の不良導体、静電気を発生しやすい
また、クレオソート油は第3石油類の多くに共通する性質を有します。
〇非水溶性は引火点70~90℃程度(水の沸点より低い)
〇沸点200℃前後~300℃
ニトロベンゼンの試験対策
淡黄色~暗黄色の油状液体
桃を腐らせたような芳香(アーモンド臭)
比重1.2(水より重い)
燃焼範囲:特殊引火物型(1.8~40vol%)
水にほとんど溶けない
アルコール、ジエチルエーテル等有機溶媒に溶ける
蒸気は有毒
ニトロ化合物であるが、自己反応性はなく、爆発性もない(⇔危険物第5類)
水溶性の第3石油類の性質
試験対策上、水溶性の第3石油類ではエチレングリコールとグリセリンのいずれも重要です。
身近なところで使われている物質ですので、実際の使用と結びつけて性質を覚えておきましょう。
エチレングリコール
エチレングリコールは、危険物第4類に共通する性質と一部異なる性質を有しています。
〇液体
〇蒸気比重>1(空気より重い、蒸気は低所に滞留)
〇蒸発燃焼、引火点を有する
〇無色
×臭いがある(→無臭)
×比重<1(比重>1(水より重い))
×非水溶性
×非水溶性のものは電気の不良導体、静電気を発生しやすい
また、エチレングリコールは第3石油類の多くに共通する性質を有します。
〇水溶性は引火点100℃以上(水の沸点より高い)
〇沸点200℃前後~300℃
エチレングリコールの試験対策
◎エンジンの不凍液として利用
無色の液体
◎無臭
◎甘味と粘性がある
比重1.1
◎水より重い
燃焼範囲:エタノール型(3.2~15vol%)
水、エタノールに溶けるが、ベンゼンに溶けない
◎吸湿性あり(→水にとても溶けやすい)
2価アルコール(ヒドロキシル基が2つ)
ナトリウムと反応して水素を発生(ヒドロキシル基の存在)
グリセリン(グリセロール)
グリセリン(グリセロール)は、危険物第4類に共通する性質と一部異なる性質を有しています。
〇液体
〇蒸気比重>1(空気より重い、蒸気は低所に滞留)
〇蒸発燃焼、引火点を有する
〇無色
×臭いがある(→無臭)
×比重<1(比重>1(水より重い))
×非水溶性
×非水溶性のものは電気の不良導体、静電気を発生しやすい
また、グリセリンは第3石油類の多くに共通する性質を有します。
〇水溶性は引火点100℃以上(水の沸点より高い)
〇沸点200℃前後~300℃
グリセリンの試験対策
◎食品添加物、医薬品、化粧品等に利用(具体的な利用法は覚える必要なし)
食品添加物:甘味料、保存料、保湿剤、増粘安定剤等
医薬品:利尿剤、脳圧降下剤、軟膏、湿潤剤等
化粧品:保湿剤、潤滑剤等
無色の液体
◎無臭
◎甘味と粘性がある
比重1.3
◎水より重い
水、エタノールに溶けやすく、ベンゼン等の有機溶媒には溶けにくい
◎吸湿性、保水性(→水にとても溶けやすい)
3価アルコール(ヒドロキシル基が3つ)
ナトリウムと反応して水素を発生(ヒドロキシル基の存在)