熱の覚え方
熱の移動
熱意の電報たい!
熱の移動
熱の移動(伝わり方)には、伝導、放射(ふく射)及び対流の3つがあります。
伝導
伝導は、熱が物体を伝わって移動する現象です。
伝導の具体例
- 高温のものが触れると熱い
- お湯を入れると容器が温まる
熱伝導率
熱伝導率は、熱の伝わりやすさを示す数値で、大きいほど伝わりやすいことを意味します。
熱伝導率の大小関係
固体>液体>気体
→熱伝導率について、金属は大きく、空気は小さい
金属
銀>銅>金>アルミニウム>マグネシウム>亜鉛>鉄>スズ>鉛
(→導電率と同様)
金属でも銀や銅等の熱伝導率は、鉄等よりも大きい
参考:金属の熱伝導率の大小関係の語呂合わせ
危険物取扱者試験ではほとんど出題はありませんが
語呂:シカゴのアーマーはあてにすんな
シ :銀(silver)
カ :銅(copper)
ゴの :金(gold)
アー :アルミニウム
マーは :マグネシウム
あ :亜鉛
てに :鉄
すん :スズ(Sn)
な :鉛
対流
対流は、熱が液体または気体を介して移動する現象です。
対流は固体では起きません。
対流の具体例
- ストーブで部屋が上の方から温まる
- 湯を沸かすと表面から暖かくなる
放射(ふく射)
放射(ふく射)は、熱源から放射される電磁波によって熱が移動する現象です。
放射の具体例
- 日光に当たると温かくなる
- ストーブに向いた面が熱くなる
語呂:熱意の電報たい!
(似非九州弁で)
熱意の :熱の移動
電 :伝導
報 :放射(ふく射)
たい :対流
比熱と熱容量
比熱
比熱は、ある物質1gの温度を1℃(=1K)高めるのに必要な熱量です。
比熱の大きい物質ほど温まりやすく冷めにくいことになります。
熱容量
熱容量は、ある物質の温度を1℃高めるのに必要な熱量です。
熱容量と比熱は次の関係にあります。
熱容量=物質の質量×比熱
語呂:寝ようとしてひねる
寝ようと :熱容量
して :(物質の)質量
ひねる :比熱
熱量
物質の温度を変化させるのに必要な熱量は次のように求められます。
熱量=熱容量×温度変化=物質の質量×比熱×温度変化
語呂:熱波師がひねる音
熱 :熱量
波 :=(イコールーは)
師が :(物質の)質量
ひねる :比熱
音 :温度変化(おとーおんど)
やや参考:比熱と熱容量との単位
危険物取扱者試験では、比熱の単位はJ/g・K、熱容量の単位は(J/K)が使われることが多いようです。
ある物質(g)をT(K)温めるのに必要な熱量は
熱量(J)=物質の質量(g)×比熱(J/g・K)×T(K)
=熱容量(J/K)×T(K)
となります。
危険物取扱者試験では、単位についての知識を試してくるものは多くはありません。
まずは細かい点にこだわらず、比熱と熱容量の関係を把握することを優先させたほうが賢明です。
熱膨張
熱膨張は、物体が温度の上昇に伴い大きくなる現象です。
熱膨張のとらえ方には、線膨張と体膨張があります。
線膨張
温度の上昇に伴い長さが増加する
→熱膨張について線的に見たもの
線膨張率
線膨張率は、物質の温度を1℃上昇させたときの長さの増加量の元の長さに対する割合です(ΔL/L)。
線膨張量
線膨張量=元の長さ×温度差×線膨張率
体膨張
温度の上昇に伴い体積が増加する
→熱膨張について体積から見たもの
体膨張率
体膨張率は、物質の温度を1℃上昇させたときの長さの増加量の元の体積に対する割合です(ΔV/V)。
体膨張量
体膨張量=元の体積×温度差×体膨張率
線膨張率と体膨張率の関係
体膨張率は線膨張率の約3倍
1+ΔV/V=(1+ΔL/L)~3≒1+3×ΔL/L