静電気の覚え方
静電気力(クーロン力)
クロちゃんのせいで委員が同席
うちからの旅費と今日2時のごはん費
静電気の発生機構
静かなまさるは冬にバリ婚活
静電気とは
静電気は、物体に静止した電荷が蓄えられている状態や蓄えられている電荷のことです。
静電気を帯びる=静止した電荷が蓄えられていることを帯電または電荷を帯びるといいます。
静電気を帯びると、物質は電気的に偏った状態になります。
静電気は物質の三態(固体、液体及び気体)すべてで発生することがあり、電気抵抗の大きい物質ほど発生しやすくなります。
電荷
電荷は、粒子や物体が帯びている電気の量です。
この電荷には正電荷と負電荷があります。
物質の接触・移動により電荷は移動します。
主に物質内の電子が移動し、電気的に偏りが生じて静電気が発生します。
―――┐ ┌――― ―――┬――― ―――┐ ┌―――
〇●〇│ │〇 ● 〇● →〇〇● 〇 ●│ │〇〇●
●〇●│ │● 〇 ⇒ ● ●→〇●〇 ⇒ ● ●│ │〇●〇
―――┘ └――― ―――┴――― ―――┘ └―――
接触等 帯電 帯電
電気量保存の法則(電荷保存の法則)
電荷が移動しても、その前後で電気量の総和は変化しません。
これを電気量保存の法則(電荷保存の法則)といいます。
A B
―――┐ ┌―――
〇●〇│ │〇 ● A 〇:3 ●:3 差引 0
●〇●│ │● 〇 B 〇:2 ●:2 差引 0
―――┘ └――― 計 〇:5 ●:5 差引 0
⇓
A B
―――┬―――
〇● →〇〇● A 〇:1 ●:3
● ●→〇●〇 B 〇:4 ●:2
―――┴――― 計 〇:5 ●:5
⇓
A B
―――┐ ┌―――
〇 ●│ │〇〇● A 〇:1 ●:3 差引 ●:2
● ●│ │〇●〇 B 〇:4 ●:2 差引 〇:2
―――┘ └――― 計 〇:5 ●:5 差引 0
静電気力(クーロン力)
同じ電荷の間には斥力(反発する力)、異なる電荷の間には引力(引き合う力)が働きます。
語呂:クロちゃんのせいで委員が同席
クロちゃんの:クーロン力
せいで :静電気力
委 :異なる電荷
員が :引力
同 :同じ電荷
席 :斥力
点電荷に働く力
参考:静電気力(点電荷に働く力)
F=-k・Q1・Q2/r~2
Q1、Q2:点電荷の電気量
r:点電荷間の距離
語呂:聖・マイケル、救急の主(あるじ)
聖 :静電気力
マイ :マイナス
ケル :k
救急の :Q1、Q2
ある :r
じ :二乗(じじょう)
乙種試験では式を覚える必要はありませんが、その意味するところは覚えておく必要があります。
静電気力(点電荷に働く力)は、それぞれの点電荷の電気量に比例、距離の二乗に反比例
語呂:うちからの旅費と今日2時のごはん費
うちからの:力
旅 :(電気)量に
費と :比例
今日 :距離の
2時の :二乗に
ご
はん費 :反比例
静電気の発生機構
静電気は電気抵抗の大きい物質ほど発生しやすくなり、物質の三態(固体、液体及び気体)すべてで発生することがあります。
基本:異質な不導体がくっついたり離れたりすると発生
例外:誘電帯電:帯電した物体が近くに接近すると発生
- 摩擦帯電
- 接触帯電
- 流動帯電
- 破砕帯電
- 噴出帯電
- 誘導帯電
- 剥離帯電
- 混合・攪拌帯電
- その他
語呂:静かなまさるは冬にバリ婚活
静かな :静電気の発生
ま :摩擦帯電
さ :(さわる)接触帯電
る :流動帯電
は :破砕帯電
ふ :噴出帯電
ゆに :誘導帯電
バリ :剥離帯電
婚活 :混合・攪拌帯電
静電気の発生しやすさ
- 静電気は電気抵抗が大きい物質ほど発生しやすい
- 物質が強く、速く移動すると発生しやすい
- 合成繊維は、天然繊維に比べ静電気を発生しやすい
合成繊維:ナイロン、ポリエステル、アクリル等
天然繊維:木綿等
静電気対策
静電気の発生を抑える
固体の静電気
- 摩擦や接触を少なくする
- 接触面積や接触圧力を小さくする
- 分離速度を小さくする(急激に剥がさない)
→できるだけ触れないように、触れるときにはそっと、ゆっくり動かす
液体の静電気
- 液体の流動速度や噴出速度を小さくする(遅くする)
- 不純物や異物の混入を避ける
→ゆっくり、余計なものは入れない
その他
発生しにくい素材を使う
→服装の素材を合成繊維ではなく天然繊維を使う等
静電気を放電する
- アース(接地)する
- 湿度を高める(加湿器の使用、床面に水を撒く等)
- 注入、攪拌等の後には静置時間を置く
ガソリン等の非水溶性液体は取扱に注意
危険物第4類の静電気対策
設備面の静電気対策
- 注入ホース等は、接地導線のあるものを使用する
- タンク、容器、配管等はできるだけ導電性の物を使用し、導体部分は接地する
- 可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所で使用する電気設備は、防爆構造としなければならない
アース(接地)
アース(接地)は、貯蔵タンク本体や注入ノズル、ホースを地中と接続して、発生した静電気を地中に逃がすことです。
ボンディング
ボンディングは、構成物の帯電を防止するため、電位差をなくすように個々の物を金属線等の電気抵抗の小さい導体等に直接接触によってつなぐことです。
環境面での静電気対策
- 床面に散水する等して湿度を高める
作業員の静電気対策
- 作業者は帯電防止処理をした履物、作業服を着用する
取扱作業での静電気対策
- 流動させる際は流速を遅くする
- 動揺を少なくする
- 流動や動揺があった後は静置時間をおく
静電気のエネルギー
静電気のエネルギーの計算問題がごく稀に出ます。
出題頻度は決して高くはありませんが、公式を知っていれば解ける問題ばかりなので、余裕があれば覚えておきたいところです。
E=1/2・QV
E:静電気のエネルギー(J)
Q:帯電量(C)
V:電圧(V)
語呂:声援で阪急がV
(大昔、阪急ブレーブスというとても強い球団があったんです…。)
声 :静電気
援で :エネルギー(E)
阪 :1/2(半)
急が :Q
V :V
また、静電気の帯電量と静電容量及び電圧の間には次の関係があります
Q=CV
Q:帯電量(C)
C:静電容量(F)
V:電圧(V)
語呂:タイではキュートがシブい
タイでは :帯電量
キュートが :Q
シ :C
ブい :V
これを使って静電気のエネルギーの式を書き換えると次のようになります。
E=1/2・CV~2
語呂:声援は半分シブいジョ
声 :静電気
援は :エネルギー
半分 :1/2
シ :C
ブい :V
ジョ :二乗
語呂:声援で阪急がV、半分シブいジョ
声 :静電気
援で :エネルギー
阪 :1/2
急が :Q
V :V
半分 :1/2
シ :C
ブい :V
ジョ :二乗