電池・電気分解の覚え方
NaS電池
マイNaS電池ある?
電池の起電力の比較
仁鶴一味の缶イチゴ、なにわの那須のにいち、リッチでさえイオンよ
電気分解
インドのギネス缶で、酔う晴郎さんさ
電池とは
電池は、酸化還元反応により放出されるエネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。
電池は一次電池と二次電池に大別されます。
一次電池
一次電池は、放電のみ、一回だけ使用可能な電池です。
乾電池等がこれにあたります。
二次電池
二次電池は、充電可能な、繰り返し使用できる電池です。
いわゆる蓄電池です。
電池の起電力
起電力は、電池の両電極間に生じる電位差です。
日常では電圧といっています。
起電力は、両電極のイオン化傾向の差が大きいほど大きくなります。
つまり、電池の起電力は両電極のイオン化傾向の差に依存します。
主な電池の起電力
危険物取扱者試験では、電池の種類ごとの起電力が問われることがあります。
出題頻度はそれほど高くはありませんが、覚えていれば得点できる問題なので、できる限り覚えておきたいところです。
一次電池の起電力
マンガン電池 1.5V:いわゆる乾電池
アルカリ・マンガン電池 1.5V:いわゆるアルカリ電池
リチウム電池 3.0V:いわゆるボタン電池
二次電池の起電力
ニッケル・カドミウム電池 1.3V:乾電池型充電池(古い)
ニッケル・水素電池 1.35V:電池型充電池
鉛蓄電池 2.0V:自動車用バッテリー等
ナトリウム・硫黄電池 2.1V:大規模蓄電池等
(NaS電池)
リチウムイオン電池 4.0V:パソコン等電子機器のバッテリー等
ナトリウム・硫黄電池(NaS電池)
ナトリウム・硫黄電池(NaS電池)は、負極にナトリウム(Na)、正極に硫黄(S)、電解質にβアルミナを使った二次電池です。
語呂:マイNaS電池ある?
マイNaS :マイナス極(負極)がNa、S
電池 :電解質
ある? :(β)アルミナ)
危険物第3類、禁水性物質であるNaを使用しているので、火災時には水系消火剤を使用できません。
平成23年(2011年)にNaS電池の火災事故が発生、消火困難で、鎮火まで約2週間を要しました。
この事故から10年以上経過していますが、NaS電池が原理的に消火困難であることに変わりはありません。
一定程度以上の頻度での出題は続くものと考えられます。
電池の起電圧の比較
電池の起電力は、傾向として次のような関係になります。
家庭用電池<事業用・産業用電池<精密機器用電池
家庭用電池
ニッケル・カドミウム電池(1.3V)
<ニッケル水素電池(1.35V)
<マンガン電池、アルカリ電池(1.5V)
ミニ四駆をやったことのある方ならわかるのではないでしょうか。
事業用・産業用電池
鉛蓄電池(2.0V)<ナトリウム・硫黄電池(NaS電池)(2.1V)
精密機器用電池
リチウム電池(3.0V)<リチウムイオン電池(4.0V)
語呂:仁鶴一味の缶イチゴ、なにわの那須のにいち、リッチでさえイオンよ
(仁鶴一味が缶詰のイチゴをつくっています。那須のにいちはお金持ちだけどイオンが好きです)
二角(にかど):ニッカド(ニッケル・カドミウム電池)
一味の :1.3V
缶 :乾電池
イチゴ、 :1.5V
な :鉛蓄電池
にわの :2.0V
那須の :NaS電池
にいち :2.1V
リッチで :リチウム電池
さえ :3.0V
イオン :リチウムイオン電池
よ :4.0V
電気分解
危険物取扱者試験では、両極に何が発生・析出するか、両極で起きているのは酸化反応か還元反応か、ばかり問われます。
仕組みを理解しようとすると、多少の時間を要することになります。
しかし、問われる事項が限られているので、結果を丸暗記することで時間を節約できます。
もちろん、仕組みを理解する勉強法の方がいいのですが、得点効率だけで考えれば丸暗記がおすすめです。
前提:電極が金、プラチナ(白金)または炭素
(危険物取扱者試験ではこれら以外は出題されません)
陰極
銅や銀または水素が発生
→電解質にイオン化傾向が小さい銅や銀がなければ水素が発生
還元反応(電子を与えられる)
陽極
ハロゲンまたは酸素が発生
→電解質にハロゲン(塩素、ヨウ素等)がなければ酸素が発生
酸化反応(電子を失う)
語呂:インドのギネス缶で、酔う晴郎さんさ
(インドで映画好きな男性がビールで酔っ払っています)
イン :陰極
ドの :銅
ギネ :銀
ス :水素
缶で、 :還元反応
酔う :陽極
晴郎 :ハロゲン(塩素、ヨウ素等)
さん :酸素
さ :酸化反応