危険物保安監督者・危険物保安統括管理者・危険物施設保安員の覚え方

危険物保安監督者の設置義務のある製造所等
瞳はポルシェが必要、ナンバーは不要

危険物保安統括管理者と危険物施設保安員
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危険物保安トリオ

  • 危険物保安統括管理者(危険物/保安/統括管理者)→管理者→工場長
  • 危険物保安監督者(危険物/保安/監督者)→監督者→課長
  • 危険物施設保安員(危険物施設/保安/員)→保安員→主任

出題頻度 危険物保安監督者≫危険物施設保安員>危険物保安統括管理者

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危険物保安監督者・危険物保安統括管理者・危険物施設保安員【危険物乙4・危険物に関する法令】

危険物保安監督者

危険物保安監督者は、製造所等で危険物の保安の監督業務を行う(課長、現場責任者のイメージ)

所有者等が選任・解任
→市町村長等に遅滞なく届出

対象資格等
甲種または乙種危険物取扱者+6か月以上の実務経験
(乙種は指定された類のみ)

実務経験
・製造所等のみ
・免状交付の前後を問わない
・複数の製造所等の実務経験を通算できる

危険物保安監督者とは

危険物保安監督者は、危険物の取扱作業において保安の監督業務を行う者のことです。

危険物保安監督者の責務

保安の監督→誠実にその職務を行う
自ら従事→貯蔵又は取扱いの技術上の基準を遵守+保安の確保について細心の注意を払う
立会→従事者が貯蔵又は取扱の技術上の基準を遵守するように監督+必要に応じてこれらの者に指示を与える

危険物保安監督者の選任・解任

所有者等が選任・解任し、市町村長等に遅滞なく届出(→変更の届出)

危険物保安監督者となる資格等

  • 甲種または乙種危険物取扱者であること
  • 6か月以上の実務経験

ただし、乙種は指定された類のみについて危険物保安監督者になることができます。

危険物保安監督者の実務経験

危険物保安監督者の実務経験としては、製造所等でのものに限られますが、免状交付の前後を問いませんし、複数の製造所等の実務経験を通算できます。

危険物保安監督者の語呂合わせ

語呂:監督の初戦は、ちょうちん届けてたトコオロ・ジョージ
(監督になったばかりの試合相手が、超有名人だったようです。ゆうパックで届けていたのでしょうか)
監督の  :危険物保安監督者
初    :所有者等が
戦は   :選任(・解任)
ちょう  :(市町村)長(等)に
ちん   :遅滞なく
届けて  :届出
たト
コオ   :甲種及び乙種の危険物取扱者
ロジョー :6か月以上の
ジ    :実務経験

危険物保安監督者の設置義務のある製造所等

すべて設置義務がある製造所等

①製造所
③屋外タンク貯蔵所
⑨給油取扱所
⑪移送取扱所

すべて設置不要の製造所等

⑦移動タンク貯蔵所
移動タンク貯蔵所には危険物取扱者が乗車しなければならないので、危険物保安監督者の監督はなくても大丈夫です。

その他覚えるべき設置義務がある製造所等

⑧屋外タンク貯蔵所

指定数量の倍数が30を超える⑧屋外タンク貯蔵所には危険物保安監督者が必要です。

⑫一般取扱所

ボイラー、バーナー等で危険物を消費しまたは容器に詰め替える⑫一般取扱所、もしくは指定数量の倍数が30を超えるまたは引火点40℃度以上の第4類以外を取り扱う⑫一般取扱所については危険物保安監督者が必要です。

条件が複雑ですが、危険物保安監督者を置かなくていい例外的な⑫一般取扱所があることが重要です。

なお、上記以外の製造所等についても危険物保安監督者が必要になることもありますが、出題されることがほとんどないので覚えなくても大丈夫でしょう。

語呂合わせ

語呂:瞳はポルシェが必要、ナンバーは不要
(北条司の『キャッツアイ』です。ナンバーのついていない高級車に乗っていても違和感はありません)
ひと    :①
みは    :③
ポルシェが :⑨⑪(ポルシェ911から)
必要    :必要
ナンバーは :⑦
不要    :不要

監督はハミチ〇、頭部にショーツのサチヨの上司
(あまりに下品ですが、記憶には残るのではないでしょうか。ぼやいていそうな監督のイメージで)
監督は   :危険物保安監督者
ハ     :⑧屋外貯蔵所
ミ     :30
チ〇    :超
頭部に   :⑫一般取扱所
ショーツの :消費、詰め替えのみ等
サチ    :30超
ヨの上   :(引火点)40(℃度以)上の
司     :(第)4(類)

製造所等の覚え方の数字対応式暗記法を前提としています)

危険物保安監督者の設置義務のある製造所等について

危険物保安監督者の設置については、危険物の規制に関する政令第31条の2の各号に定められています。
原則はすべての製造所等に設置義務があり、一定の場合に設置しなくてもいい、というつくりです。

第31条の2 法第十三条第一項の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、製造所等のうち次に掲げるもの以外のものとする。
一 屋内貯蔵所又は地下タンク貯蔵所で、指定数量の倍数が三十以下のもの(引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを貯蔵し、又は取り扱うものに限る。)
二 引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを貯蔵し、又は取り扱う屋内タンク貯蔵所又は簡易タンク貯蔵所
三 移動タンク貯蔵所
四 指定数量の倍数が三十以下の屋外貯蔵所
五 引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを取り扱う第一種販売取扱所又は第二種販売取扱所
六 指定数量の倍数が三十以下の一般取扱所(引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを取り扱うものに限る。)で次に掲げるもの
 イ ボイラー、バーナーその他これらに類する装置で危険物を消費するもの
 ロ 危険物を容器に詰め替え

危険物の規制に関する政令

条文を整理すると、次の場合には危険物保安監督者の設置が必要となります。

①製造所      すべて(除外規定なし)
③屋内タンク貯蔵所 すべて(除外規定なし)
⑨給油取扱所    すべて(除外規定なし)
⑪移送取扱所    すべて(除外規定なし)

          指定数量の倍数  貯蔵または取扱う危険物
②屋内貯蔵所    30超   または 引火点40℃度以上の第4類以外(第1号)
④屋内タンク貯蔵所          引火点40℃度以上の第4類以外(第2号)
⑤地下タンク貯蔵所 30超   または 引火点40℃度以上の第4類以外(第1号)
⑥簡易タンク貯蔵所          引火点40℃度以上の第4類以外(第2号)
⑧屋外貯蔵所    30超                      (第4号)
⑩販売取扱所             引火点40℃度以上の第4類以外(第5号)
⑫一般取扱所    30超   または 引火点40℃度以上の第4類以外 もしくは ※(第6号)

※ボイラー、バーナー等で危険物を消費するものまたは危険物を容器に詰め替えるもの以外

⑦移動タンク貯蔵所については、すべて危険物保安監督者の設置が不要です(第3号)。

なお、危険物保安監督者は技術上の基準ではないので、①製造所と⑫一般取扱所とで扱いが異なることに注意が必要です。

以上、危険物保安監督者の設置の要否について、すべて覚えるのは困難ですし、頻出分野は限られています。

そこで、まずは①③⑨⑪はすべて必要、⑦は不要、とだけ覚え、余裕があればそれ以外について覚えてくのがいいでしょう。

危険物保安監督者の業務

  • 技術上の基準及び予防規定等保安に関する規定に適合するように、作業者に対し必要な指示を与える
  • 災害発生時に、作業者を指揮して応急の措置を講ずるとともに、直ちに消防機関その他関係あるものに連絡する
  • 災害の防止に関し、関連する施設の関係者との間に連絡を保つ
  • (危険物施設保安員あり)危険物施設保安員へ必要な指示を与える
  • (危険物施設保安員なし)危険物施設保安員の業務を代わりに行う

試験だけを考えれば常識で正しそうなものを選べば大体あっているでしょう。

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危険物保安統括管理者

危険物の保安に関する業務を統括管理(大工場の工場長のイメージ)

所有者等が選任・解任→市町村長等に遅滞なく届出

対象資格等なし

危険物保安統括管理者の選任・解任

危険物保安統括管理者は、一定以上の危険物を貯蔵・取扱う製造所等において所有者等が選任・解任し、市町村長等に遅滞なく届け出ます。(→変更の届出)

危険物保安統括管理者の選任義務のある製造所等

①製造所   倍数3,000以上
⑫一般取扱所 〃

⑪移送取扱所 指定数量以上

自衛消防組織必置

危険物保安統括管理者を定めなければならない製造所等には自衛消防組織を必ず置かなくてはなりません。

自衛消防組織

法令で定める数以上の人員+化学消防自動車で編成

危険物施設保安員

製造所等の構造及び設備にかかる保安のため業務(主任、よくわかってる現場の方のイメージ)

届出・資格等不要

所有者等が選任・解任→届出等不要

対象資格等なし

危険物施設保安員の選任義務のある製造所等

①製造所   倍数100以上
⑫一般取扱所 〃

⑪移送取扱所 すべて

危険物施設保安員の業務

・定期及び臨時の点検
・点検の記録及び保存
・異常発見時、危険物保安監督者その他関係者に連絡+適当な措置を講ずる
・火災発生時または火災発生の危険性が著しい時には、危険物保安監督者と協力し応急の措置を講ずる
・計測装置、制御装置、安全装置等の保安管理
・その他、構造・設備の保安に関する必要な業務

→構造・設備の保安に関する業務、現場に向き合うイメージ

危険物保安統括管理者と危険物施設保安員について

        危険物保安統括管理者 危険物施設保安員
同じ
対象資格    なし         なし
義務化対象   ①製造所、⑫一般取扱所及び⑪移送取扱所
違う
義務化要件
①、⑫     倍数3,000以上     倍数100以上
⑪       指定数量以上     すべて
届出      必要         不要

語呂:統括は秘湯に左遷、指定嬢に届けよう

統括は    :危険物保安統括管理者
秘      :①製造所
湯に     :⑫一般取扱所
左遷     :(倍数)3,000以上
遠い     :⑪移送取扱所
指定嬢に   :指定(数量以)上
届けよう   :届出必要

語呂:保安員は秘湯に薄情、日々ストーブよ

保安員は   :危険物施設保安員
秘      :①製造所
湯に     :⑫一般取扱所
薄情     :(倍数)100以上
日々     :⑪移送取扱所
ス      :すべて
トーブよ   :届出不要

出題頻度はそれほど高くはないので、直前に詰め込めればいいと思います。

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