製造所等の変更の届出の覚え方

届出先:市町村長等(製造所等の設置の許可権者)
届出者:(届出時の)所有者等

事前届出:危険物の品名・数量・指定数量の倍数の変更
事後届出:所有者等の変更等

製造所等の変更の届出【危険物乙4・危険物に関する法令】

製造所等の変更の届出とは

製造所等の一定の事項を変更しようとする場合は、市町村長等に届出なければなりません。
変更の届出は、変更する内容によって事前届出と事後届出とに分かれます。

事前届出(変更の10日前まで)

次の場合には、所有者等は変更の10日前までに市町村長等に届け出る必要があります。

  • 危険物の品名・数量・指定数量の倍数の変更

事後届出(変更後遅滞なく)

次の場合には、所有者等は遅滞なく市町村長等届け出る必要があります。

  • 製造所等の譲渡・引渡し(譲受人)
  • 製造所等の廃止(所有者等)
  • 危険物保安統括管理者の選任・解任(所有者等)
  • 危険物保安監督者の選任・解任(所有者等)

譲渡・引渡しや廃止については、最終的に権利を持っている(持っていた)人が責任をもって届け出ます。

危険物保安統括管理者については別項目。ここでは大規模工場の工場長がなるものと考えてください。
危険物保安監督者についても別項目。ここでは危険物取扱者がなる現場責任者のようなものと考えてください。

位置、構造または設備の変更は許可が必要

製造所等の変更の届け出は、位置、構造または設備に変更がない場合のもので、これらに変更がある場合には許可を申請する必要があります。

危険物の品名・数量・指定数量の倍数の変更に事前届出が必要になるのは、これらの変更によって位置、構造または設備をより安全なものにしなければならないことがあるからです。

仮に、品名・数量・指定数量の倍数の変更によって位置、構造または設備を変更しなければならない事態が生じたとします。
これを事後届出にすると、市町村長等は届出があるまでそのことをを知ることができません。
結果的に市町村長とは違法状態、安全が確保されない状態を見過ごすことになります。

そのため、危険物の品名・数量・指定数量の倍数の変更については事前届出を義務づけ、市町村長が変更許可の要否を確認できるようにしているのです。

参考:

変更の許可か変更の届出、事前届出か事後届出、いずれが適切なのかを答える問題が出やすくなっています。

出題するとすれば、次のようなものが考えられます。

品名・数量・指定数量の倍数の変更によって製造所の保有空地の幅に必要な場合であっても、当該変更の10日前までに市町村長等に変更を届け出れば足りる。

保有空地の幅は位置、構造または設備の一つですから、この場合は位置、構造または設備に変更が必要になるので、届出ではなく許可が必要になります。

これを難しくすると次のようになります。

製造所の指定数量の倍数を10から20に変更したときには、変更の10日前までに市町村長等に届け出なければならない。

指定数量と変更の届出を組み合わせ、さらに細かい知識が必要になるので、これは甲種でも捨て問になるでしょう。

なお、製造所の保有空地の幅は、指定数量の倍数が10未満で3m以上、10を超えると5m以上が必要です。
保有空地の幅の変更は、一、構造または設備の変更になるので、届出ではなく変更の許可が必要になります。